후리가나로 읽는 일본 고전
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じじょでん
自叙伝
大杉 栄
大杉 栄의 自叙伝(じじょでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 115,021자 · 230화면
一度、馬丁に連れられて、西ヶ輪の何とか温泉といったお湯屋へ行った。真白な頸の女が大勢はいっていた。男も二、三人まじっていた。馬丁は僕に待っていろと言って、自分一人その中へはいって行った。男と女とが湯船の中に入りまじって、キャッキャッと言って騒いでいた。僕はいやになって、馬丁がとめるのも聞かずに、一人で家へ帰った。
が、僕自身は女の友達とはだんだんに遠ざかって行った。
学校が別になってめったに会う機会のなくなった光子さんは、折々その小さい弟を連れて、夕方近くに練兵場へ散歩に来た。彼女はたしかに僕に会いに来るのに違いなかった。その弟を連れて来たのもそとに出る口実に違いなかった。僕は彼女の姿を見るとすぐに練兵場へ走って行った。二人は一、二間そばまで近よってかすかな微笑を交せば、それでもう事は十分に足りるのだった。彼女はそれで満足して帰った。
光子さんと僕との間は要するにただこれだけのことに過ぎなかった。僕は光子さんと交したただの一と言も覚えていない。というよりもむしろ、お互いに言葉を交したというほどのこともかつてなかった。それでも二人は、少なくとも僕の心の中では、立派な恋人同士だったのだ。