후리가나로 읽는 일본 고전
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はなもかたなも
花も刀も
山本 周五郎
山本 周五郎의 花も刀も(はなもかたなも)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,364자 · 178화면
と幾たびも囁いたときのあの親しみや好意は、いまの彼女からは微塵も感じることができなかった。けれどもほかに当てはない。幹太郎は彼女に頼んだ。
秋田平八に預けた物がある。それを取って来るまでこの二人を置いてもらいたい。夕方までには必ず戻るから、と幹太郎は云った。お杉はしぶった。お豊や幸坊をちらちらと見やりながら「困りましたね」と眉をしかめ、今日は日本橋のほうの旦那がたの寄合があるので、どの座敷も塞がっている、平手さんのことだからなんとか都合したいが、今日だけはぐあいが悪いのだとお杉は云った。
――これが人情というものか。
幹太郎は「出ちまえ」と思った。
だがお豊は狙われている。また三平たちにみつかっては面倒だ。そう気がつき、恥ずかしさを忍んで頼んだ。
座敷でなくてもいい、蒲団部屋でもなんでも、ただ半日だけ置いてくれればいい、食事もみんなと同じもので結構だし決して迷惑はかけない、と幹太郎は云った。お杉はようやく承知した。さすがに、それでもだめだとは断われなかったのであろう、「では汚ない部屋でよければ」と頷いた。
「では頼んだからね」幹太郎は、ほっとして、お豊に云った、「私は日の昏れるまえに戻る、長は裏へいって、足を洗ってからあがるんだ、おとなしくするんだぞ、いいか」