후리가나로 읽는 일본 고전
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あぢさい
花火・来訪者 他十一篇
永井 荷風
永井 荷風의 花火・来訪者 他十一篇(あぢさい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 52,046자 · 104화면
二階から雷の落ちて来るような足音に吃驚したお千代はそれと見るより、死力を出して慶三に取り縋った。慶三は早くも半身格子戸の外へ飛出しながら、
「放せ放せ。用はない。」
「まアあなた。待って頂戴。」とお千代は上框から滑り落ちながら、しっかり男の袂を押える。
「放さないか。畜生ッ。」
慶三は平手でぴっしゃりお千代の横面を喰わしたが、お千代は大声で泣き出すばかり、なかなか押えた袂を放さない。老婢はうろうろして代り代りにまア旦那、まア奥さんとこれも半分は泣声である。
格子外には早くも通りがかりの人が三、四人も足を止めた。丁度湯帰りの近所の芸者も二、三人立ち加わる有様に、慶三も今はそう手荒く袂を振切って駈出すわけにも行かず、「静にしろい。見ッともねえや。」とぶつぶつ云いながら再び家へ上らねばならなかった。こうなれば最うお千代の勝利である。お千代は打たれようが殺されようが皆な自分が悪いんだから、どうなりと気の済むようにと云わぬばかりの態度で、いかにも物哀にしくしく泣きながら事情を訴えて、結局同情を請おうと云うのである。無論最初は何と云っても慶三は返事をしなかった。