후리가나로 읽는 일본 고전
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わかすぎさいばんちょう
若杉裁判長
菊池 寛
菊池 寛의 若杉裁判長(わかすぎさいばんちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,238자 · 21화면
実際、文科を出て困っている実例はその頃も多かったとみえ、非常に聡明な森田という人は、すぐ転科をする決心をしたそうです。自分よりは成績もよく、学資も豊富な森田君が、将来の生活問題を気にして転科をするとなると、当時の若杉裁判長も、勢い首を傾けなければなりませんでした。
その上に、若杉さんは、こうしたできごとに会っていたことがあります。なんでも、高等学校の確か二年生であった頃ですが、若杉さんは、ある晩、春日町から伝通院の方へ富坂を登っていたそうです。すると、半分ばかり、坂を上って右側にあるミルク屋の前に、二、三人、人だかりがしているのです。何かと思って立ち止まると、そのミルク屋の中から、土工体の男が、立派な服装をした紳士の右の手を、縄で縛って連れ出してくるのです。一組かと思うと、そうした組合せがいくつも後から出てくるのです。どの組もどの組も、縛っている方が労働者の風をして、縛られている方が紳士の服装をしているから、奇体です。今から考えれば、それは賭場へ手が入ったので、珍しくもなんともないのですが、その頃は、そうした実世間のできごとにまったく無経験であった若杉さんは、呆気にとられて見ていたとのことです。