후리가나로 읽는 일본 고전
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きのこのまいひめ
茸の舞姫
泉 鏡花
泉 鏡花의 茸の舞姫(きのこのまいひめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,906자 · 24화면
それ、腰にさげ、帯にさした、法螺の貝と横笛に拍子を合せて、
やしこばば、うばば、
うば、うば、うばば。
火を一つ貸せや。
火はまだ打たぬ。
あれ、あの山に、火が一つ見えるぞ。
やしこばば、うばば。
うば、うば、うばば。
……と唄う、ただそれだけを繰返しながら、矢をはぎ、斧を舞わし、太刀をかざして、頤から頭なりに、首を一つぐるりと振って、交る交るに緩く舞う。舞果てると鼻の尖に指を立てて臨兵闘者云々と九字を切る。一体、悪魔を払う趣意だと云うが、どうやら夜陰のこの業体は、魑魅魍魎の類を、呼出し招き寄せるに髣髴として、実は、希有に、怪しく不気味なものである。
しかもちと来ようが遅い。渠等は社の抜裏の、くらがり坂とて、穴のような中を抜けてふとここへ顕れたが、坂下に大川一つ、橋を向うへ越すと、山を屏風に繞らした、翠帳紅閨の衢がある。おなじ時に祭だから、宵から、その軒、格子先を練廻って、ここに時おくれたのであろう。が、あれ、どこともなく瀬の音して、雨雲の一際黒く、大なる蜘蛛の浸んだような、峰の天狗松の常燈明の一つ灯が、地獄の一つ星のごとく見ゆるにつけても、どうやら三体の通魔めく。