후리가나로 읽는 일본 고전
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くさもみじ
荷風随筆集(下)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(下)(くさもみじ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 30,512자 · 63화면
クリスマスの夜の空に明月を仰ぎ、雪の降る庭に紅梅の花を見、水仙の花の香をかぐ時には、何よりも先に宗達や光琳の筆致と色彩とを思起す。秋冬の交、深夜夢の中に疎雨斑々として窓を撲つ音を聞き、忽然目をさまして燈火の消えた部屋の中を見廻す時の心持は、木でつくった日本の家に住んで初て知られる風土固有の寂寥と恐怖の思である。孟宗竹の生茂った藪の奥に晩秋の夕陽の烈しくさし込み、小鳥の声の何やら物急しく聞きなされる薄暮の心持は、何に譬えよう。
深夜天井裏を鼠の走り廻るおそろしい物音に驚かされ、立って窓の戸を明けると、外は昼のような月夜で、庭の上には樹の影が濃くかさなり、あたり一面見渡すかぎり虫が鳴きしきっている。これらの光景とその時の情趣とは、ピエール・ロッチがその著『お菊さん』の中に委しく記述している。雨の小息みもなく降りしきる響を、狭苦しい人力車の幌の中に聞きすましながら、咫尺を弁ぜぬ暗夜の道を行く時の情懐を述べた一章も、また『お菊さん』の書中最も誦すべきものであろう。
わたくしは今日でも折々ロッチの文をよむ。そして読むごとに、わたくしが日本の風土気候について感ずる所は悉くロッチの書中に記載せられている事を知るのである。