후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
なおこ
菜穂子
堀 辰雄
堀 辰雄의 菜穂子(なおこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 88,758자 · 173화면
目つきは止せと云われそうな、何か見据えるような眼つきで見続けていた。
店の中は、夕方だったけれど、大雪のせいか、彼女の外には三四組の客が疎らに居るきりだった。入口に近いストーヴに片足をかけた、一人の画家かなんぞらしい青年が、ときどき彼女の方を何か気になるように振り返っていた。
菜穂子はそれに気がつくと、ふいと自分の姿を吟味した。長いこと洗わないばさばさした髪、出張った頬骨、心もち大きい鼻、血の気のない脣――それらのものは今もまだ、彼女が若い時分によく年上の人達からもうすこし険がなければと惜しまれていた一種の美貌をすこしも崩さずに、それに只もう少し沈鬱な味を加えていた。山の中の小さな駅では人々の目を惹いた彼女の都会風な身なりは、今、此の町なかでは他の人々と殆ど変らないものだった。只、山の療養所からそっくりその儘持ち帰って来たような顔色の蒼さだけは、妙に他の人々と違っているように思え、それだけはどうにもならないように彼女はときどき自分の顔へ手をやっては何かごまかしでもするように撫でていた。……
突然自分の前に誰かが立ちはだかったような気がして、菜穂子は驚いて顔を上げた。