일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

なおこ

菜穂子

堀 辰雄

堀 辰雄의 菜穂子(なおこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 88,758자 · 173화면

아오조라 문고

――都築明は自分の方へ向って来る人込みの中に目ざとくそう云う二人の姿を見かけ、菜穂子さんを見るような人だがと思い出すと、俄かに胸の動悸が高まった。彼がその白い外套の女から目を離さずに歩いて行くと、向うでも一瞬彼の方を訝しそうに見つめ出したようだった。しかし、何となくこちらを見ていながら、まだ何にも気づかないでいる間のような、空虚な眼ざしだった。それでも明はその宙に浮いた眼ざしを支え切れないように、思わずそれから目を外らせた。そして彼がちょいと何でもない方を見ている暇に、彼女はとうとう目の前の彼にそれとは気づかずに、夫と一しょにすれちがって行ってしまったのだった……。

明はそれからその二人とは反対の方向へ、なぜ自分だけがそっちへ向って歩いて行かなければならないのか急に分からなくなりでもしたかのように、全然気がすすまぬように歩いて行った。こうして人込みの中を歩いているのが、突然何んの意味も無くなってしまったかのようだった。毎晩、彼の勤めている建築事務所から真直に荻窪の下宿へ帰らずに、何時間もこう云う銀座の人込みの中で何と云う事もなしに過していたのが、今までは兎も角も一つの目的を持っていたのに、その目的がもう永久に彼から失われてしまったとでも云うかのようだった。