후리가나로 읽는 일본 고전
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もえぎいろのくき
萌黄色の茎
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 萌黄色の茎(もえぎいろのくき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 4,481자 · 9화면
お菊さんは立ち止った。萌黄色の茎はゆらりゆらりと動いているように見えた。お菊さんは驚いて眼を上の方にやった。上の方は微月がさしたようにぼうと明るくなっていて、そこには蓴菜のように円いものが一めんに浮んだようになっていた。
お菊さんは不思議な家へ来たものだと思った。そして、早く玄関へ往って北村さんに逢いたいと思った。お菊さんは玄関の燈に注意した。青ざめたような光は遠くの方に見えていた。お菊さんは萌黄色の茎に眼をふさいで歩きだした。
「来たのか、来たのか」
お菊さんはびっくりして立ち止った。黒い背のひょろ長いものが前に来て立っていた。それはさっき店へ来た老婆のようであった。
「遅くなってすみません」
「旨い物はそう手取早く出来るものでないよ、へ、へ、へ、さ、こっちへお出でよ」
老婆は萌黄の茎を分けるようにしてひょろひょろと歩いて往った。お菊さんはその後から歩いた。そこはもう傾斜はなくなっていたが、雲の上にいるようで足に踏みごたえがなかった。
「ここだよ、ここからお入りよ」
お菊さんはもう玄関のような青ざめた光の中に立っていた。
「旦那、旦那、やっと来ましたよ」