후리가나로 읽는 일본 고전
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山 清의 落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 239,741자 · 486화면
と、突如午前の平穏な空気を破って隣組の口回覧のふれ声が聞えた。「皆さん、お米の配給がありますッ。」私は一ぺんに眼が覚めた。懦夫をして起たしむとは蓋しこのことであろう。私は奮然寝床を蹴って飛び起きると、手早く蒲団を畳んで押入れに仕舞い込み、ここ一週間ばかりなおざりにしていた家内の掃除に取りかかったのだが、その時の私の有様を強いて形容すれば、大掃除に手伝いを頼まれた武蔵坊弁慶もかくやと思うばかり、獅子奮迅の勢いで座敷はもとより、台所から縁側、便所の中に至るまで飽くまで掃き清め、拭い清めたものである。手洗いの水を取りかえてまず一段落、ほっとして縁側の陽溜りにあぐらをかいた私は、「やはり人生は楽しい、生甲斐のあるところだ。」という思想を全身に感じていた。私は日頃物臭さな、気力甚だ活溌ならざる男であるが、人生に対し積極的になる場合が三つある。まずいい作品を読んだ時であり、次に人から親切にされた時であり、それからこのお米の配給のあった時である。私はお米の袋を携えて、それこそある種の強精剤の注射でも受けた人の如く、元気旺盛、足取りも軽く配給所へ赴いたのであるが、とかく浮世はままならぬところ、そこには思いがけぬ不幸が待ち伏せしていて私を打ちのめしたのである。