후리가나로 읽는 일본 고전
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あざみ
薊
山本 周五郎
山本 周五郎의 薊(あざみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,800자 · 32화면
「いいえ」とゆきをのねぼけたような返辞が聞えた、「わたくしどうか致しまして」
「うなされていたんだな」と彼が云った、「それならいいんだ、おやすみ」
おやすみあそばせ、申し訳ありませんでした、と答えるゆきをの声は、まだねぼけているように力なく、けだるそうであった。そんなことが三度あったのだ。三度めは雨の夜で、銕太郎は疲れていた。その日は藩主の越後守信俊に望まれて、「新律」の講話をした。下城の太鼓のあとから始め、夕餉をたまわったあと八時まで続けた。それは出府ちゅうに、銕太郎が老中の某侯から借覧し、許しを得て筆写したもので、寛永年代から享保にかけての、幕府の公事、訴訟、仕置などの記録であった。講話は七日かかる筈で、帰宅したのは九時過ぎであった。
――いまに眼がさめるだろう。
妻のうなされる声を聞きながら、銕太郎はそのまま眠ろうとしていた。しかし、庇を打つ雨のひっそりした音が、却って妻の呻き声を際立てるようで、彼はすっかり眼が冴えてしまい、太息をつきながら起きあがった。これまでは部屋の外から呼びかけたが、雨が降っているので聞えないかと思い、廊下を越えて向うの襖をあけた。