일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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とうそんのこせい

藤村の個性

和辻 哲郎

和辻 哲郎의 藤村の個性(とうそんのこせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,764자 · 14화면

아오조라 문고

が、この幼少以来の苦労のおかげで、藤村の描いた世界のなかには、一つの非常にはっきりとした特徴が結晶している。

私は『夜明け前』を読んだ時にそれを痛切に感じたのである。この作にはかなりいろいろな人物が現われてくるが、作者はどの人物をも同情をもって描き、それぞれにその所を得させるように努めている。従っていろいろないやな事件が起こるにかかわらず、いやな人物は一人も出て来ない。作の世界全体に叙情詩的な気分が行きわたり、不幸や苦しみのなかにもほのぼのとした暖かみが感ぜられる。これは全く独特な光景だと私は思ったのである。

しかし考えてみると、この特徴はすでに『春』や『家』や『新生』などにも現われている。作者はどの人物をも責める態度で描くということがない。ちょうど「物が言い切れない」と言われていると同様に、人物をも一つの性格に片づけ切れないという趣が見える。苦労した人の目から見れば、人生はそういうふうに見えるかもしれない。遠くから見て、不埒な、怪しからぬ人物に見えていても、その人の立場に立てば、そうでないいろいろな点がある、ということになるのであろう。それを思いやり、そういう人の気をも兼ねるということになれば、作中の人物をくっきりと浮き彫りにし、それぞれにあらわな特徴を与えるということは、ちょっとやりにくくなる。