후리가나로 읽는 일본 고전
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とうそんのこせい
藤村の個性
和辻 哲郎
和辻 哲郎의 藤村の個性(とうそんのこせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,764자 · 14화면
そこには生活というものと芸術とのおもしろい一致もあると思いますが、けれども私などの境涯では、そんなことは及びもつきませんね」と言っている。問題は「境涯」なのであるが、大正の末、五十幾つかになっていた藤村は、その数々の名篇をもってしても、なお自分の境涯がそれにふさわしいとは認めなかったのである。そうすればどんな人が、生活と芸術との一致した家に住んでよいと認められたのであろうか。
が、他の人の気を兼ねるという傾向は、右のような好みにのみ基づくのではあるまい。物心がついて以後の藤村の生い立ちの苦労が、この傾向と深く結びついているであろう。『桜の実の熟する時』や『春』などで見ると、藤村はその少年時代や青年時代を他人の庇護のもとに送り、その年ごろに普通のわがままをほとんど発揮することができなかったのである。それに加えておのれの生家のいろいろな不幸をも早くから経験しなくてはならなかった。無邪気な少年の心に、わがままを抑えるとか、他人の気を兼ねるとかの必要が、冷厳な現実としてのしかかってくる。これは一人の人の生涯にとっては非常に大きい事件だと言わなくてはなるまい。