후리가나로 읽는 일본 고전
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とうそんのぶんがくにうつるしぜん
藤村の文学にうつる自然
宮本 百合子
宮本 百合子의 藤村の文学にうつる自然(とうそんのぶんがくにうつるしぜん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,118자 · 12화면
「生い立ちの記」をよんで見ると、国を出る迄末息子としての藤村が、お牧という専属の下女にかしずかれ、情愛の深い太助爺を遊び対手とし、いかにも旧本陣の格にふさわしい育ち方をしている姿がまざまざと浮んで来る。それが急に言葉から食物まで違う東京、母も姉もお祖母さんも傍にはいないよその家での明暮となり、小さい藤村が、故郷の景色を懐しく思い出し、故郷でたべた焼米や椋葉飯やを恋うた心の切なさはまことに想像される。紫紐で髪を結えた藤村の父は、僅か九つ、今日なら小学二年生になったばかりの息子を東京へやる餞別として、五六枚の短冊を与えた人である。「行ひは必ず篤敬。云々。」と書き与えた人である。故郷が恋しい、母サンやお祖母サンガ居ナイカラ僕ツマンナイヤ、とは、幼い藤村の手紙に決して率直に書かれなかったであろう。
藤村が文学の仕事に入った頃、日本の文学はロマンチシズムの潮流に動かされていた。当時の文学傾向がそうであったと云うばかりでなく、また、藤村自身が二十歳を越したばかりの多感な時代にあったというばかりでなく、彼の処女詩集『若菜集』につづく四冊の詩集が、激しい自然への思慕、ロマンティックな自然への没入を示している心理の遠く深いところには、藤村のこの特別な幼年時代から少年時代へかけての境遇が作用しているように思われる。