후리가나로 읽는 일본 고전
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きょこうのはる
虚構の春
太宰 治의 虚構の春(きょこうのはる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 54,586자 · 108화면
私は、もとより、私の周囲の者まで、すべて。大阪サロン編輯部、高橋安二郎。太宰先生。」
「前略。しつれい申します。玉稿、本日別封書留にてお送りいたしました。むかしの同僚、高橋安二郎君が、このごろ病気がいけなくなり、太宰氏、ほか三人の中堅、新進の作家へ、本社編輯部の名をいつわり、とんでもない御手紙さしあげて居ることが最近、判明いたしました。高橋君は、たしか三十歳。おととしの秋、社員全部のピクニックの日、ふだん好きな酒も呑まず、青い顔をして居りましたが、すすきの穂を口にくわえて、同僚の面前にのっそり立ちふさがり薄目つかって相手の顔から、胸、胸から脚、脚から靴、なめまわすように見あげ、見おろす。帰途、夕日を浴びて、ながいながいひとりごとがはじまり、見事な、血したたるが如き紅葉の大いなる枝を肩にかついで、下腹部を殊更に前へつき出し、ぶらぶら歩いて、君、誰にも言っちゃいけないよ、藤村先生ね、あの人、背中一ぱいに三百円以上のお金をかけて刺青したのだよ。背中一ぱいに金魚が泳いで居る。いや、ちがった、おたまじゃくしが、一千匹以上うようよしているのだ。山高帽子が似合うようでは、どだい作家じゃない。