후리가나로 읽는 일본 고전
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じゃせいのしゅうねん
蛇性の執念
大倉 燁子
大倉 燁子의 蛇性の執念(じゃせいのしゅうねん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,981자 · 38화면
綾子さんは武雄さんの実兄で、御木井男爵家の嫡男文夫さんの妻だった人なのです。しかも二人は相思の仲だったのですもの、その文夫さんが亡くなって、まだ一年も経たないのにもう弟さんと結婚する。何だか厭じゃありませんか。しかも文夫さんは病気で亡くなったのではありません。綾子さんと結婚して四日目の披露会の当日自殺したのです。
私は二人の写真を見てから不愉快になって、事務所に出るのにはまだ早いけれど、お天気もいいしするからともかくも外へ出ようと思って、アパートの自動昇降機を降りました。私はその頃アパートに住んで居りました。扉を明けて出ようとすると、そこに大きな男が立っていまして、危ぶなく突き当るところでした。
『ご免ん遊ばせ』
軽く云ってすれ違いながら、ふとその男の顔を見たんです。黒い大きな眼鏡と黒いマスク、前のめりに被った帽子、それで顔の大半はかくされていますが、左の目の下から頬へかけて大きな切疵の跡があって、そのためでしょう口が少し曲っているんです。どうも人相のよくない、気味の悪い人だ、身装は悪くありませんが、どう見たって善良な紳士とは見えません。しかし身装なんかは後になってから憶い出した事で、一と目見た瞬間あのゾッとした感じは忘れられませんでした。