후리가나로 읽는 일본 고전
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たこのごときもの
蛸の如きもの
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 蛸の如きもの(たこのごときもの)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,085자 · 21화면
まるで惚気話みたいじゃないか。案外、百合子を好きになってるのであるまいか。老人の錯覚で、親切と愛情とを弁別出来なくなってるのではあるまいか。もし百合子が、彼の手を温かく握りしめて、連れていって頂戴、とでも言おうものなら……その後のことは神のみぞ知る。
高木老人は打ち明け話をしながら、時にはにこにこ、時にはにやりにやり、それから時おり眼に涙を浮べている。いったい、心の底のその奥は、嬉しいのか悲しいのか、不感症になりかけたのを自覚しない老いぼれ蛸。
俺もどうやら蛸壺に腰を落ち着けすぎたようだ。憂欝の気がかぶさってくる。立ち上って、電車がもう無くなりますよ、と言ってやると高木老人はあわてて立ち上り、勘定をすますが早いか、さっと出て行ってしまった。表の傾斜に滑り転んだかも知れない。
「おかしな年寄りですね。」
森田が微笑している。俺は指先で頭に渦巻きを描いてみせた。
俺だって頭が少し変梃だ。強烈な酒でもほしい。マダム・ペンギンのところか、京子のところか……それも今は億劫だし、遼子のところへはちと行きにくい。高木老人のおかげで、沖繩の海も見失ってしまった心地だ。