후리가나로 읽는 일본 고전
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われはうたえども やぶれかぶれ
蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ
室生 犀星
室生 犀星의 蜜のあわれ・われはうたえども やぶれかぶれ(われはうたえども やぶれかぶれ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 45,726자 · 90화면
それと同時に宮中賜餐記の一文もこまかい眼くばりがあって、これもまた日本一であった。斎藤茂吉さんのことなぞ生きるがごとく書かれてある。名随筆家であって遂にその名随筆家であることすらも気にしなかったことの、今にして思うと、ゆかしいかぎりの宇野の浩さんではないか。
コバルト行きの手押車の上から、私は眼のぎょろりとした例の男を捜して歩いた。エレベーターの前にも、放射線室の冷たいコンクリの廊下にも、この男のすがたはなかった。私のコバルト行きはこの男に会い、この男と睨み合い憎しみ合うことで患者という弱りはてた世界から、縋りついた人間くさい物をたよりにしていたので、彼に会わないというあての外れたことは大きかった。あらゆる患者という者は突然に何処かに行っていなくなるものだ、退院するか、死去するか、この二つの道しか患者の往くところはなかった。朱いさかなや白いさかなを料理した食卓のある所に帰って行くか、それでなかったら冷たい供え膳の向うに一枚の写真にいやでもおさまり返っていなければならないのだ。
私は男をさがして歩いた。廊下、後架、喫煙室というところ、開いている病室、勿論、コバルトへのエレベーターや地下の廊下にも、男のぎょろりとした眼つき、精悍なからだつきが見られなかった。