후리가나로 읽는 일본 고전
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
室生 犀星의 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ(みつのあわれ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 88,662자 · 174화면
永い生涯のうちでも陶器を携えて旅行に出たことがなく、他人にはちょっと口にしがたい気持の甘え方であった。信州の家に着くと彼はそれを床の間に据え、似合うかどうかをためしたが、色も形も、高い山の明りに素直になじんで見えた。もし粗面の布きれでふくと傷を生じる神経質な青磁は、指の爪先が当っても、そこには、肉眼で見られない傷がついていた。彼は鏡のような山の光線で隈なく見入ったときに、元からあった窯きずに、驚いて眼をとめた。ほんの僅かしかなかったにゅうに、これもよく見入るとあたらしくにゅうが五分ばかりふえ、それの走りのするどさに搏たれた。人間の心のこまかいはたらきに似た高麗青磁のやさしさは、列車の震動のこまかい不自然さに、ついに惹きいれられ、あたらしいにゅうを生じたものとしか思えなかった。彼は車掌室を見聞したときに雑誌四五冊をならべ、その上に鞄を置いて気づかわれる震動をふせいでいた。鞄の中では一枚の毛布をくるくる捲いて、底にあたるところに毛布の折目を廻し、打っつけても動かないように固くとじていた。震動は鞄をとおして幾重にもまいた毛布につたわり、時計のような神経質な青磁のにゅうのあるところに、永い間かかって震動をつたえて行ったものとしか、思えなかった。