후리가나로 읽는 일본 고전
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こうもり
蝙蝠
岡本 かの子
岡本 かの子의 蝙蝠(こうもり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,107자 · 23화면
それは自分でも涙の出るほど女らしくしおらしいものであった。だがお涌はそういう自分になるとき、宿命とかいうものに見込まれたような前途の自由な華やかな道を奪い去られたような、窮屈な寂しい気もちもあった。
(これが、恋とか、愛とかいうものかしらん。いやそんなことは無い。)
笑い声や冗談に開け放たれた家庭の空気に育ち、心に蟠りなどは覚えたこともないお涌は、恋愛などという入り組んだ重苦しいものは、今の世にあるものじゃないと首を振った。
ほとんどきまった話はしたことのない四五年間の少年少女の交際の間にも、お涌はこの家の神秘な密閉的な原因が判るような気がした。
先祖は十八大通といわれた江戸の富豪で、また風流人の家筋に当り、三月の雛祭りには昔の遺物の象牙作りの雛人形が並べられた。明治の初期には皆三の祖父に当る器量人が、銀行の頭取などして、華々しく社交界にもうって出たが、後嗣はひとりの娘なので、両親は娘のために銀行の使用人の中から実直な青年を選んで娘の婿に取った。それが皆三の両親である。三人の男の子が生れた頃、どういうものか、祖父は突然その婿を離縁してやがて自分も歿した。