후리가나로 읽는 일본 고전
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こうもり
蝙蝠
岡本 かの子
岡本 かの子의 蝙蝠(こうもり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,107자 · 23화면
本所地先の隅田川百本杭は抜き去られて、きれいな石垣になった。お涌は、別に身投げとか覚悟とかそういった思い詰めたものでもない、何か死とすれすれに歩み沿って考え度い気持ちで一ぱいだった。
電車の音、広告塔の灯、街路樹、そういうものをあとにして、お涌はひたすら暗い道へ道へと自分の今の気持ちに沿うところを探し歩いた。どことも覚えない大溝が通っていて小橋がまばらに架り、火事の焼跡に休業の小さい劇場の建物が一つ黝み、河沿いの青白い道には燐光を放つ虫のようにひしゃげた小家が並んでいる。蒼冥として海の如く暮れて行く空――お涌には自分の結婚の仲立ちをする日比野の女主人も、それに有頂天になる肉身も、自分の婿になろうとする島谷も、すべてはおせっかいで意地悪く、恨めしく感じられた。皆三には――皆三には、無性にりつき度いほど焦立たしさ口惜しさ、逢ってその意気地なさを罵倒し度くて、そのくせ逢いもせぬ自分の不思議なこじれ方をどうしようもない……ああ、こういう時、蝙蝠でも飛んでいて呉れればよい。子どもの井戸替えの夕、あの蝙蝠も覗くかと見た井戸の底の落付いた仄明るい世界はいまどこにあるであろう。