후리가나로 읽는 일본 고전
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こうもり
蝙蝠
岡本 かの子
岡本 かの子의 蝙蝠(こうもり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,107자 · 23화면
籠の口で、お涌が指を蝙蝠の翅から離すときに、いかにも喰いつかれるのを怖れるように、勢づけて引込ますと、男の子はくくくと、笑った。その声には、いじらしいものを愛し労わる響きがあった。
お涌は、日頃遠くから軽蔑していた男の子の立派な格のある姿を眼の前にはっきりと視、思いがけなくもその声からこういう響きを聞くと、女が男に永遠に不憫がられ、縋らして貰い度い希望の本能のようなものがにわかに胸に湧き上った。お涌はにわかに赧くなった。それが、お涌の少女の気もちに何か戸惑ったような口惜しささえ与えた。お涌は、つんと済して帰って仕舞おうかとさえ思ったが、一たん胸に湧きあがった本能が、ぐんぐん成長して、お涌の生意気を押えつけ、却って可憐に媚びを帯びた態度をさえお涌につくらせてしまった。
お涌の眼と見合うと、男の子も少し赧くなった。男の子はその顔を鸚鵡籠へ覗かして
「この蝙蝠、翅が折れてら」
とはじめて声を出して云った。声は、金網越しに「ばか」と怒ったときの声に似ていて、似てもつかぬ、しっかりした声だった。だが、その声でややお涌に向いて落ちつかないもの云いをするのだった。