후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ちょうのえ
蝶の絵
久生 十蘭
久生 十蘭의 蝶の絵(ちょうのえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,644자 · 49화면
自殺するのに、そんな歯痒い方法を選んだのは、それがいちばんいいと思ったからで、それ以外の作為はない。山川をそこまで追いまくった、いろいろな事情や素因を考えあわせると、山川としては、そうするほか、やりようがなかったろうということが理解できた。
桐ヶ谷の火葬場へ行くので、早く家を出たが、ついでに日仏画廊へ岩城の絵を見に寄った。
晴れているくせに、なんとなく暗い感じのする朝で、画廊へ入ると汗が出た。
ひとのいい岩城の顔が見えるような、才気の乏しい遅鈍な絵ばかりで、身体を斜めにして早足で見て行くうちに、窓から遠い、影の淀んだうす暗い壁面から、どきっとさせるような鮮かな色彩が、いきなり眼に吸いついてきた。
灰色で、むらなく塗りつぶしたカンヴァスのまんなかに、緋色の天鵞絨を切って貼りつけたような量感のある血紅色が、なんともつかぬかたちで盛りあがっている。花かと思ったら、そうではなく、斜めになって飛んでいる一匹の蝶の絵だった。
画題は「マリポサ・ローハ(赤い蝶)」……学名はなんというのか、シジミタテハに似ているが、それともちがう。頭から翅の端まで、緋一色のうえに、白で、繊細なアラベスクの模様を配した、見たこともない珍奇なものだった。