후리가나로 읽는 일본 고전
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こうじん
行人
夏目 漱石의 行人(こうじん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 224,801자 · 452화면
「おい御客さまだよ」と岡田が遠慮のない大きな声を出した時、お兼さんは「ただいま」と奥の方で優しく答えた。自分はこの声の持主に、かつて着た久留米絣やフランネルの襦袢を縫って貰った事もあるのだなとふと懐かしい記憶を喚起した。
三
お兼さんの態度は明瞭で落ちついて、どこにも下卑た家庭に育ったという面影は見えなかった。「二三日前からもうおいでだろうと思って、心待に御待申しておりました」などと云って、眼の縁に愛嬌を漂よわせるところなどは、自分の妹よりも品の良いばかりでなく、様子も幾分か立優って見えた。自分はしばらくお兼さんと話しているうちに、これなら岡田がわざわざ東京まで出て来て連れて行ってもしかるべきだという気になった。
この若い細君がまだ娘盛の五六年前に、自分はすでにその声も眼鼻立も知っていたのではあるが、それほど親しく言葉を換わす機会もなかったので、こうして岡田夫人として改まって会って見ると、そう馴々しい応対もできなかった。それで自分は自分と同階級に属する未知の女に対するごとく、畏まった言語をぽつぽつ使った。岡田はそれがおかしいのか、または嬉しいのか、時々自分の顔を見て笑った。