후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
まちはふるさと
街はふるさと
坂口 安吾의 街はふるさと(まちはふるさと)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 193,435자 · 389화면
長平は記代子のことに驚くよりも、穂積の悠長な話しぶりに心をひかれて、
「君、わざと気をつかってくれたのかい?」
「え?」
「ぼくをビックリさせないために、わざと悠長な話し方をしたのかと訊いているのさ」
「ハッハア」
穂積は雲をつかむような笑い方をした。わざととぼけているのかと思うと、苦りきって、
「当節、人のことで気をつかっちゃいられませんよ」
「へえ。なぜだい?」
「ハッハア」
また、雲をつかむような笑い方をした。
「ですが、人生は、事もなく、また、若干、多忙ですな」
「なんのことだい」
「とにかく、人間というものは人の噂をしたがるものですよ。他人の身の上は多事多端ですな。そして当人だけは、事もなく、わが身に限って何一つ面白いことが起らぬような気でいるものですよ。そのくせ、あらゆる人間が人の話題になるような奇妙な身の上をしているのですな」
「なるほど」
まったく、人生はそんなものかも知れない。彼自身にしても、梶せつ子と関係をもつに至った一夜の出来事などは、人の絶好な話題になるものであろう。しかし当人には、さしたる事ではない。今後せつ子と同様な機会が起らなければ、あの一夜は、単に過去という無の流れに没し去っているにすぎない。