후리가나로 읽는 일본 고전
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せいりんず
西林図
久生 十蘭
久生 十蘭의 西林図(せいりんず)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,309자 · 21화면
と冷淡な口調で、こたえた。老人は、うなずいて、
「これは粗忽でした。まだ、おゆるしをいただいていないのですから、あなたにおねがいできる筋ではございませんでした」
そういって、冬木のほうへ膝をむけかえると、
「どういうご関係の方か、ぞんじませんが、たぶん、土井さんとお親しい方とお見受けいたします。唐突で、ごめいわくでもありましょうが、卒爾ながら仲人をおねがいいたします。文を探して、池の汀まで、お連れくださるわけにはまいりませんでしょうか」
冬木は、うれしくなって、
「それは、こちらから、おねがいしようかと思っておりましたことです……それで、門は、どちらの門から、お入れしましょうか」
「ご念の入ったことで……今日は、表門からではなく、裏の潜門からお入れくださいまして、池の乱杭石のあたりへおとめ置きねがいます」
「時刻は、何時といたしましょうか」
「只今、七時でございますから、正十時ということに」
「たしかに、承りました」
芦の葉先が雲のようにもやい、茫々とした池の面が、薄光りながら鱗波をたてている。差し水か湧き水か、しっとりと濡れた乱杭石のある池のほとり、紋服に袴をつけた冬亭と、薄袷の文女が立っていると、遠い向岸に提灯の光が見え、それが池の縁について大きく廻りながら、だんだんこちらへ近づいてきた。