후리가나로 읽는 일본 고전
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さいごうたかもり
西郷隆盛
芥川 竜之介의 西郷隆盛(さいごうたかもり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,892자 · 22화면
着ているのは黒の背広であるが、遠方から一見した所でも、決して上等な洋服ではないらしい。――その老紳士が、本間さんと同時に眼をあげて、見るともなくこっちへ眼をやった。本間さんは、その時、心の中で思わず「おや」と云うかすかな叫び声を発したのである。
それは何故かと云うと、本間さんにはその老紳士の顔が、どこかで一度見た事があるように思われた。もっとも実際の顔を見たのだか、写真で見たのだか、その辺ははっきりわからない。が、見た覚えは確かにある。そこで本間さんは、慌しく頭の中で知っている人の名前を点検した。
すると、まだその点検がすまない中に、老紳士はつと立上って、車の動揺に抵抗しながら、大股に本間さんの前へ歩みよった。そうしてそのテエブルの向うへ、無造作に腰を下すと、壮年のような大きな声を出して、「やあ失敬」と声をかけた。
本間さんは何だかわからないが、年長者の手前、意味のない微笑を浮べながら、鷹揚に一寸頭を下げた。
「君は僕を知っていますか。なに知っていない? 知っていなければ、いなくってもよろしい。君は大学の学生でしょう。しかも文科大学だ。僕も君も似たような商売をしている人間です。