일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おやがすてられるせそう

親が捨てられる世相

坂口 安吾

坂口 安吾의 親が捨てられる世相(おやがすてられるせそう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,326자 · 15화면

아오조라 문고

小田原海岸のカマボコ小屋で何十年孤独の生活をつづけている川崎長太郎君などは、文士のうちでも特にそのような背骨のガッシリした人であろう。

川崎君とはアイサツを交したこともないが、私も小田原に住んでいたので、彼の日課の食堂通いの姿をまれに見かけることがあった。私の見た彼の姿はいつも一人であった。彼の当時の小説によると、三十銭を手に握って、ダルマとかアサヒとかいう大きくて殺風景な食堂へチラシドンブリとかカツライスを食べに通っていたのだそうだ。

彼は戦争中に徴用されて小笠原島へ渡り土方のようなことをやらされたそうだ。小田原のカマボコ小屋からひきずりだされて孤島で土方をやりながらも、その日々の観照はきわめて当り前で、全てを(戦争をも)素直にうけいれて、いかなる環境の変化にも彼の人生の土台をゆりうごかされるような動揺をうけたことはない。彼が小笠原の徴用生活を書いたものは、この戦争生活の日本人の手記としては頭抜けてマトモで、一行の力んだところもないスガスガしい珍品であったと云えよう。その生活中に彼がよんだ和歌なども衒気がなくて実に素直なものであった。

彼は私の碁仇の碁会所の老人のように、この戦争のために一生の設計を破壊されるようなことがなかった。