후리가나로 읽는 일본 고전
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へんさいじょき
貢太郎見聞録
田中 貢太郎
田中 貢太郎의 貢太郎見聞録(へんさいじょき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 29,162자 · 59화면
もう十二時に近かった。私は親方に別れて歩いた。焼け残りの建物の端になった所に小さな掘割の水があって、橋がかかり、その袂に交番があった。見るとその交番の手前になった建物の前に人がたくさん立っていた。そこには火事の怪我人であろう、破れた衣類を着た子供や女が手と言わず足と言わず体中を繃帯して筵の上にごろごろしていた。後で気がついたが、それは被服廠跡から救いだした人人であった。両足と頭に繃帯した五つぐらいの女の児が足を投げだして坐り、片手に小さな茶碗を差し出しているのに、半纏を着た男が水筒の水を注いでやっていた。私は呼吸づまるような感じがした。
路の右側には天幕を張って警官が出入りしていた。私は橋を渡って往った。蔵前の専売局の煙突がすぐ前岸に見えた。右側には大きな邸宅跡の石垣の崩れがあった。石垣の内は大きな泉水になって、まわりの樹木は焼けたり折れたりしていた。その邸宅跡をすぎると兵士の一人が路ぶちに立っていた。私は被服廠はその奥らしいと思ったので、兵士の方へは往かずに手前から焼け跡を切れて往って、兵士のいる方から来ている小路へ出た。五六人の男が奥の方から出て来た。