후리가나로 읽는 일본 고전
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あかいかしゃ
赤い貨車
宮本 百合子
宮本 百合子의 赤い貨車(あかいかしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 35,168자 · 71화면
しかし、ナースチャは口に出してはなにも云わなかった。自分の心がこわかった。
ある午後、市場へ買い出しに出かけていると夕立がかかって来た。ナースチャはいそいで市場のアーチの下へ逃げこんだ。アーチは奥行が深く、その内壁に沿うて十六カペイキの耳飾や針を売る三文雑貨屋や、紐屋、古着売りなどの店が張られている。五六人の労働者と、子供をかかえた一人のツィガンカがやはりアーチの下へ雨宿りに来た。ツィガンカは裸足で、赤い更紗の重くひろい裾を蹴るように歩き、一人一人の労働者の前に手を出した。銭をやるものはない。風がさっと吹く。雨あしが白くけむって移った。労働者の濡れた体が乾きかける一種の匂いとタバコの匂いがアーチのなかにこもった。山羊が一匹、野菜店のさしかけた板屋根の横から雨をついてこちらへ向ってかけ出して来た。アーチの下へ入ると、山羊は壁によせて開けてある鉄扉と内壁との間へ頭だけつっこんだ。そうすると安心したように山羊は眼を細くし、時々短い白い尻尾をぶるるるとふるわした。ナースチャはむき出しな腕に籠を引かけ、その山羊のとぼけた鼻面を見ながら笑った。
「ばか……」
ナースチャの肩に後から触るものがある。