후리가나로 읽는 일본 고전
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あかいかしゃ
赤い貨車
宮本 百合子
宮本 百合子의 赤い貨車(あかいかしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 35,168자 · 71화면
「行こうよ」
とささやいた。ナースチャがその若ものの顔を見定めずに通りすぎるように、その男もナースチャの顔をはっきり見もせず、麦酒屋の窓から片明りのさす歩道でささやくのであった。
十
入ったばかりのところは、がらんとした室だ。木の床の上に大机が一脚あった。その机の上に数冊パンフレットがおかれている。赤い布で飾ったレーニンの肖像が左側の壁にかかり、その下に壁新聞がはってあった。壁新聞に赤いプラトークをかぶって手を振っている若い女の笑い顔の插画がある。
上靴をぬぐのか脱がないのか、ナースチャは、迷って、誰もいぬその室に立ち、見まわした。室の境に戸がなく、奥が見えた。上靴をはいたまま、女がある机の前に立っている。ナースチャは腕にかけた買物籠がゆれぬように片手で押え、そろそろ奥へ歩いた。
暗い室だ。大机が三つあって、三人の女が働いていた。白タイルがところどころ欠けて、燃き口のくすぶったペチカが室の隅にある。
入口に立っていると、ナースチャに一番近い机の前に坐っている女が、
「お前さんはなに用」
ときいた。藍縞の男ものシャツを着て、紺と黄色のさっぱりしたネクタイを胸の上にたらしている女であった。