후리가나로 읽는 일본 고전
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あかいかしゃ
赤い貨車
宮本 百合子
宮本 百合子의 赤い貨車(あかいかしゃ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 35,168자 · 71화면
……盗んだ人間は、安全でわたしだけがこんな辛い思いをするなんて」
ナースチャは、急に憎悪に燃えた眼をして叫んだ。
「悪人奴! 悪人奴!」
往来では粉雪が降り出した。歩道の上を花売り男が両手に鈴蘭の束を持ち、
「新しい鈴蘭、きりたての鈴蘭、お買いなさい、五十カペイキ」
通行する年よりの女に近づいて、花束をつきつけた。老婆は買物籠の経木製の二本の百合の花を指さした。「ごらん! これを。いりゃしないやね」――アルバートの広場の赤白塗の古い大教会では、二人の男が鐘楼で受難金曜日の鐘を鳴らした。教会の外壁をまわって通る電車の窓ガラスと、向う側の食堂の扉が、ガーン、ガーン重くけたたましく鐘の音響によって絶えずふるえた。上衣の左右のかくしへウォツカ瓶を突こみ、一本からは時々ラッパのみしつつ、労働者が一人ならんでいる客待ちタクシーのかげを通った。いろんな方角から射出す明りで通行人の顔が歪んで見える広場の辻を、警笛を鳴らしつづけ、赤十字の応急自動車が走り去った。夜のうちで赤い十字が瞬間人々の目をかすめ、光った。
粉雪はますます降り、鐘の音波はやや雪にこもり、下方から光線をあびる教会の尖塔は雪の降る空の高みでぼやけはじめた。