후리가나로 읽는 일본 고전
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あかごうしくろうえもんのむすめ
赤格子九郎右衛門の娘
国枝 史郎
国枝 史郎의 赤格子九郎右衛門の娘(あかごうしくろうえもんのむすめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,174자 · 33화면
いっそこの儘突っ走った方が結句安全じゃありませんかね」
お菊は返辞をしなかった。
陽が次第に暮れて来る。
こういうことがあってから二十日あまりの日が経った。三日見ぬ間に散るという桜の花は名残なく散り、昔のことなど思い出される、山吹の花の季節となった。
この頃水死から助けられた辻君のお袖は元気を恢復し、卜翁の好意ある進めに従い、穢わしい商売から足を洗い、一つは卜翁への恩返し、小間使いとして働くことになり、病気と云って誰にも逢わず離れ座敷に引き籠もっている妾のお菊の代理として今では卜翁の身の廻りまで手伝う身分となっていた。
日向りのよい離れ座敷の丸窓の下で出逢ったのは、そのお袖と忠蔵とである。
「おや忠さん、いい天気だね」
「そうさ、莫迦にいい天気だなあ。そうそう夏めいたというものだろう」
云いすてて忠蔵は行き過ぎようとした。
「ちょいと忠さん、待っておくれよ。そう逃げないでもいいじゃないか」
「なアに別に逃げはしないが、それ諺にもある通り男女七歳にして席を同じうせずか。殊にこちらの旦那様は大変風儀がやかましいのでね」
「でもね、忠さん、立ち話ぐらい、奉公人同志何悪かろう。