후리가나로 읽는 일본 고전
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ちょうじんひげのはかせ
超人鬚野博士
夢野 久作
夢野 久作의 超人鬚野博士(ちょうじんひげのはかせ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 59,054자 · 117화면
「ハックシン……フィックシイン。風邪が伝染ったよ」
「ファ――――クショォ――ン。ウハァ――クショ――ン……コラ……」
「ホホホ。乱暴な嚏ねえ。アンタのは……」
「ああ。涙が出ちゃった」
「まだ洗濯物……乾かないか知ら……」
「一度に洗濯するのは考えもんよ」
「だって隙がなけあ仕方がないわ」
「あんまりお天気が良過ぎたのが悪かったんだわ」
二階から二人ばかり足音が降りて来た。
「呆れたねえ。何故表の扉をシッカリ締めとかなかったの……折角ヒトが良い気持ちで寝てたのに……フィックシイン……」
と云う女将らしい声がして、コック部屋兼帳場の入口の浅黄色の垂幕の蔭から、色の青黒い、眦の釣上った、ヒステリの妖怪じみた年増女の顔が覗いたと思うと、茫然として突立ている吾輩とピッタリ視線を合わせた。
「アラッ……先生じゃ御座いませんの……まあ……お珍らしい……よくまあ」
と云ううちに浅黄色の垂幕を紮げて出て来た。生々しい青大将色の琉球飛白を素肌に着て、洗い髪の櫛巻に、女たちと同じ麻裏の上草履を穿いている。コンナ粋な女に識合いはない筈だがと、吾輩が首をひねっているにも拘わらず、女将は狃れ狃れしく近寄って来て、溢るるばかりの愛嬌を滴らしながら椅子をすすめた。