후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
しゅみのいでん
趣味の遺伝
夏目 漱石의 趣味の遺伝(しゅみのいでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,235자 · 77화면
「凱旋の兵士はみんな、ここを通りましょうか」と心配そうに聞く。大切の人を見はぐっては一大事ですと云わぬばかりの決心を示している。腹の減った男はすぐ引き受けて
「ええ、みんな通るんです、一人残らず通るんだから、二時間でも三時間でもここにさえ立っていれば間違いっこありません」と答えたのはなかなか自信家と見える。しかし昼飯も食わずに待っていろとまでは云わなかった。
汽車の笛の音を形容して喘息病みの鯨のようだと云った仏蘭西の小説家があるが、なるほど旨い言葉だと思う間もなく、長蛇のごとく蜿蜒くって来た列車は、五百人余の健児を一度にプラットフォームの上に吐き出した。
「ついたようですぜ」と一人が領を延すと
「なあに、ここに立ってさえいれば大丈夫」と腹の減った男は泰然として動ずる景色もない。この男から云うと着いても着かなくても大丈夫なのだろう。それにしても腹の減った割には落ちついたものである。
やがて一二丁向うのプラットフォームの上で万歳! と云う声が聞える。その声が波動のように順送りに近づいてくる。例の男が「なあに、まだ大丈……」と云い懸けた尻尾を埋めて余の左右に並んだ同勢は一度に万―歳! と叫んだ。