일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しゅみのいでん

趣味の遺伝

夏目 漱石

夏目 漱石의 趣味の遺伝(しゅみのいでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 38,235자 · 77화면

아오조라 문고

聞くところによると浩さんの家は紀州の藩士であったが江戸詰で代々こちらで暮らしたのだそうだ。紀州の家来と云う事だけ分ればそれで充分手懸りはある。紀州の藩士は何百人あるか知らないが現今東京に出ている者はそんなに沢山あるはずがない。ことにあの女のように立派な服装をしている身分なら藩主の家へ出入りをするにきまっている。藩主の家に出入するとすればその姓名はすぐに分る。これが余の仮定である。もしあの女が浩さんと同藩でないとするとこの事件は当分埓があかない。抛って置いて自然天然寂光院に往来で邂逅するのを待つよりほかに仕方がない。しかし余の仮定が中るとすると、あとは大抵余の考え通りに発展して来るに相違ない。余の考によると何でも浩さんの先祖と、あの女の先祖の間に何事かあって、その因果でこんな現象を生じたに違いない。これが第二の仮定である。こうこしらえてくるとだんだん面白くなってくる。単に自分の好奇心を満足させるばかりではない。目下研究の学問に対してもっとも興味ある材料を給与する貢献的事業になる。こう態度が変化すると、精神が急に爽快になる。今までは犬だか、探偵だかよほど下等なものに零落したような感じで、それがため脳中不愉快の度をだいぶ高めていたが、この仮定から出立すれば正々堂々たる者だ。