후리가나로 읽는 일본 고전
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ろじょう
路上
芥川 竜之介의 路上(ろじょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 43,539자 · 87화면
だからその心もちを通過する限り、野村の眼に映じた自然や生活は、いずれも彼自身の愛の円光に、虹のごとき光彩を与えられていた。若葉も、海も、珊瑚採取も、ことごとくの意味においては、地上の実在を超越した一種の天啓にほかならなかった。従って彼の長い手紙も、その素朴な愛の幸福に同情出来るもののみが、始めて意味を解すべき黙示録のようなものだった。
俊助は微笑と共に、野村の手紙を巻きおさめて、今度は『城』の封を切った。表紙にはビアズリイのタンホイゼルの画が刷ってあって、その上に l'art pour l'art と、細い朱文字で入れた銘があった。目次を見ると、藤沢の「鳶色の薔薇」と云う抒情詩的の戯曲を筆頭に、近藤のロップス論とか、花房のアナクレオンの飜訳とか、いろいろな表題が行列していた。俊助ははなはだ同情のない眼で、しばらくそれらの表題を見廻していたが、やがて「倦怠」――大井篤夫と云う一行の文字にぶつかると、急にさっきの大井の姿が鮮かに記憶に浮んで来たので、早速その小説が載っている巻末の頁をはぐって見た。と、それは三人称でこそ書いてはあるが、実は今夜聞いた大井の告白を、そのまま活字にしたような小説だった。