후리가나로 읽는 일본 고전
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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
谷 譲次의 踊る地平線(下)(おどるちへいせん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 141,823자 · 283화면
紙と鉛筆を取り寄せ、正成公から思いついて「楠」の字を大書し、箱を叩いて首を傾げて見せた。これで老爺め、会心の笑みを洩らすことであろうと私は内心待ち構えていると、彼は不愛想に私の手から鉛筆を引ったくって、非常に事務的に私の「楠」の字を消してその傍へ「樟」と訂正した。なるほど、これでこそ「くすのき」である。計らずも私は、そこで一つの生きた学問をしたのだった。
が、これも五十日あとのこと。
いまはもう一度倫敦出帆へ逆行して、あらためて錨を上げる。
四日午前九時、SS・H丸はロウヤル・アルバアト・ドックを離れてテムズ河口へ揺るぎ出た。
がたん!
踊る水平線へ!
そして、極東日本へ!
3
では、英吉利よ、「さよなら!」
さよなら!
大きな声で「さよなら!」
何国の港も同じ殺風景な波止場の景色に過ぎないんだが、長い長い帰りの航路をまえに控えている私達の心臓は、いささか旅行者らしい感傷に甘えようとする。が、そんな機会はなかった。交通検閲はつねに無慈悲にまで個人の感情に没交渉である。私と彼女が、桟橋に立っている二人の巡査と、数人の近処の子供らと、一団の荷役人夫たちに別れの手を振りながら、すこしでも強く長くこの倫敦の最後の印象を持続しようと焦っているうちに、船は自分の任務にだけ忠実に――大きな身体のくせに驚くほど