후리가나로 읽는 일본 고전
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おどるちへいせん
踊る地平線(下)
谷 譲次
谷 譲次의 踊る地平線(下)(おどるちへいせん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 141,823자 · 283화면
日に何艘となく大きな船が水平線を撫でて過ぎた。その多くは地中海巡航や南米行きだったが、なかには、欧洲航路に往来する日本の船もあるはずだった。こうして日課のように沖を望見しているうちに、私達はいつの間にか、船体の恰好や、煙突の工合で、重な会社の船ぐらいは識別出来るようになった。ことにNYK――日本郵船の船は直ぐにわかった。私たちは、沖を左から右へ、日本から倫敦へ往く途中の船を見ては、希望とあこがれに燃える故国の人々を載せているであろうことを思い、その反対に右から左へ、倫敦から日本へいそぐ復航船を眺めては、私たちもやがて、日本へ帰る日のさして遠くあってはならないことに、今更のように気づいた。そして、それらの日本船に乗ってポルトガルの沖を過ぎる人々のうち、船から見える海岸のホテルの一室に私たち日本人夫婦がもう一月の余も住まっていて、いまもこうして望遠鏡を向けていようなどとは、誰ひとりとして考える人もあるまい。こんなことを話し合って、まるで島流しにでもされているように、私達は淋しい気持ちになったものだった。
で、近いうち、あの船の一つに乗って、この沖を通って日本へ帰ろう――いつしか二人のあいだに、こういう暗黙の契約が成立してしまっていた。