후리가나로 읽는 일본 고전
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ぐんこくかようしゅう
軍国歌謡集
山川 方夫
山川 方夫의 軍国歌謡集(ぐんこくかようしゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 39,655자 · 80화면
力ずくでも私を止めよう、という決意が察しられて、私はそれ以上、女の顔をみようと主張する気を失くしていた。……大チャンがその女の声に感じているのは、一つの純粋、一つの無垢というものだろうか、と私は考えたが、私には、どうにもそのときの大チャンの言分は理解できなかった。理解できなかったために、よけいそのときの彼の表情とか言葉とかを、奇妙な衝撃として私は心にふかく刻みつけたのかもしれない。
その夜も歌声は聞こえてきて、近づき、遠ざかった。私は低く熱心に唱和する大チャンの深刻な顔をみつめ、ふと、きっと大チャンは戦争で幾人かの人間を殺してきた、その記憶が忘れられないのだ、という気がした。彼は、おそらくあの女の澄んだ歌声を触媒として展開する、過去の中の自分の純粋さを愛している。が、同時に、その過去とはこんりんざい対面したくない気分で生きているのだ。――私は、そんなことを思ったのだ。
しかし、それから一週間ほどたったある夜、私は窓をあけた。歌の主の、若い女の顔を見たのである。
私は、発作的にそれをしたのではない。その夜、私が大チャンへの、すくなくも意地わるな意志をもっていたのはたしかである。