후리가나로 읽는 일본 고전
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きんせいかいじんでん
近世快人伝
夢野 久作
夢野 久作의 近世快人伝(きんせいかいじんでん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 79,469자 · 157화면
歴代内閣の総理大臣で、この先生にジロリと睨まれて縮み上らなかった者は一人も居ない偉人じゃないか……とか何とか文句を云う者が大多数であろう。
……怪しからん。頭山先生を雑誌の晒し物にするとは不埒な奴じゃ。頭山先生は現代の聖人、昭和維新の原動力だ。そんな無礼な奴は絞め上げるがヨカ……とか何とか腕まくりをして来る黒切符組もないとは限らないが、まあまあ待ったり。話せばわかる。
筆者のお眼にかかった頭山先生は、御自身で、御自身を現代の聖人とも、昭和維新の原動力とも、何とも思って御座らぬ。「俺は若い時分にチットばかり、漢学を習うたダケで、世間の奴のように、骨を折って修養なぞした事はない。一向ツマラヌ芸無し猿じゃ」と自分でも云うて御座る。それでいて西郷隆盛の所謂、生命も要らず、名も要らず、金も官位も要らぬ九州浪人や、好漢安永氏の所謂「頭山先生の命令とあれば火の柱にでも登る」というニトロ・グリセリン性の青年連に尻を押されて、新興日本の尻を押し通して御座った……しかも一寸一刻も、寝ても醒めても押し外した事はなかった。日本民族をして日清、日露の国難を押し通させて、今は又、昭和維新の熱病にかかりかけている日本を、そのまんま、一九三五年の非常時の火の雨の中に押し出そうとして御座る。