후리가나로 읽는 일본 고전
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ちかごろのわだい
近頃の話題
宮本 百合子
宮本 百合子의 近頃の話題(ちかごろのわだい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,932자 · 14화면
来た。
カルメン夫人が、技術的には先生であり良人であるワインガルトナーの道を踏んで進んで来ているのは当然であろう。棒の扱いかたや、左手の拇指と小指とに独得な力のこめかたをして、オーケストラに呼びかけてゆく癖など、ワインガルトナーそっくりである。けれども、専門的な言葉ではああいうのを何というか、カルメン夫人はオーケストラから各部分の音をそれぞれの独自的な意味で引き出して来るという印象を与えず、分析され切れない音響のかたまりを次から次へ並べて行く感じである。ワインガルトナーで縦に切りこんで行っているところをカルメン夫人の方は棒は同じように動かしながら、横へ、音の面を撫で、圧えているようなのである。しまりがない。善良であるが立体性が足りず、音のつかまえかたが漠然としている。
ヨーロッパでも、婦人の指揮者は二人か三人しかいないそうである。そういう点からも私はカルメン夫人の指揮から受けた印象でいろいろ女の芸術と生活とを考えさせられた。
カルメン夫人はいかにも人柄のよい、教養のあるひとらしく、『婦人公論』などに書いた文章などよむと、むしろ音楽を文学的に、哲学的に感じすぎているようなところさえうかがわれる。