후리가나로 읽는 일본 고전
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みちづれ
道づれ
宮本 百合子
宮本 百合子의 道づれ(みちづれ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,491자 · 41화면
暫くして階段口に数人の跫音がした。単に礼儀からばかりでない気持、当時の学生生活のたしなみとでも云うようなもので、ドアのそとから、ひっそりとしている室内に向って、
「いいかい」
一応声をかけながら、ゆっくりあけて、この文学研究会の中心となっている「新時代」編輯同人の戸山・横井・吉田などが続いて入って来た。最後に、丁度これらの様々の風貌をもち、同じ大学でも属している科は種々である若い人々の宰領という工合で、やや年かさの、しかし体は誰よりも小さい今中が一番あとから現れた。今中は、
「やあ」
と、うすくよごれた鳥打帽をぬいで、喉まである茶毛ジャケツの上へ着た上着のポケットへしまった。そして蒼白い瘠せがたの顔にかかる髪をはらうように首をふって間近の椅子にかけた。
今夜の当番になっている戸山が、おとなしく絣の襟をあわせた姿で楕円形テーブルの脚が一本落付きのわるいのを気にしていたが、やがて腕時計をのぞいて云った。
「どうしますか、そろそろはじめましょうか」
背広を着た横井が、
「まだ四五人は来るんじゃないのかい、もう十分まてよ」
今中は、こういう周囲にかまわない成人の態度でハトロン紙で上覆いをしたパンフレット型のものを読んでいるのであった。