후리가나로 읽는 일본 고전
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とおのへ
遠野へ
水野 葉舟
水野 葉舟의 遠野へ(とおのへ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 55,903자 · 117화면
道がまた緩い上りになっている。山の峡を登ってうねる道を二台の車がつづいて行く。私はまた、うしろの口の窓に肱をかけて、垂幕の下から雪の中に暮れて行く山を見ていた。積っている上にも雪が積って行く。
後の馬車の白馬が全身を濡らして、白い息を吹きながら歩いてくる。馬という奴は大きいがどこか可愛い獣だ。と思っていると、この馬車と、白馬との間にぬっとその由爺が身を入れた。
肩幅の広いのに兵卒の着る外套を着て、腹のところを皮帯でしめている。頭巾で頭から頤をつつんで、その間から、黒い荒い鬚がムシャムシャ生えた頬を見せている。手には長い枝を折って鞭にしたのを持ち、足には藁靴(ツマゴ)を穿いて、雪の上をのしのしと歩いてくる。熊のような男だが、ギロッとした目に言われぬ愛敬がある。そして東京では豆腐屋の持っているような貝の形をしたブリキのラッパに緒をつけて、肩からさげていた。歩きながら幾度となく、
「ホーッ!」と言って、腹から出たような大きな声をして、肩の上から覗き込もうとする、白馬の顔をはらった。
疲れと、寒さと、……迫まってくる黄昏の色との中に馬車の中ではものを言う人もない。