후리가나로 읽는 일본 고전
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とかいのゆうき
都会の幽気
豊島 与志雄
豊島 与志雄의 都会の幽気(とかいのゆうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 10,559자 · 21화면
私は誰にも口外しないとお上さんに約束して、その代り他の室へ移して貰った。所が生憎、今空いてるただ一つの室は、階下の階段の奥の四畳半きりで、日当りが悪く陰気くさくて薄穢なかった。然しそんなことに躊躇してはいられなかった。明日から大倹約をしなければならないと、冗談のように女中達へ云いながら、心ではびくびくしながら、私はその晩すぐに荷物を運び移して貰った。そして一通りざっと片付けておいて、それでももう十二時近くなって、狭苦しい思いで床にはいった。眼が冴えて眠れなかった。どうしても落付けなかった。誰も知らないが、また知っていても知らない顔をしてるが、あの室にだってあんな恐ろしいことがあったとすれば、この室にだってどんなことがあったかも知れない……などと考えてくると、益々眼が冴えていった。
そして私は、またいろんな幻を見た。嘗てこの室で起ったろうさまざまなことが、次から次へと現われてきた。貧しい肺病やみの学生が、血反吐をはいてのたうち廻っていた。酒に酔った不良性の男が、美しい女中を引張り込んで獣慾を遂げていた。凶器を手にした盗人が、窓の戸をこじあけて覗き込んでいた。