후리가나로 읽는 일본 고전
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のわき
野分
夏目 漱石의 野分(のわき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 93,508자 · 189화면
垢染みた布団を冷やかに敷いて、五分刈りが七分ほどに延びた頭を薄ぎたない枕の上に横えていた高柳君はふと眼を挙げて庭前の梧桐を見た。高柳君は述作をして眼がつかれると必ずこの梧桐を見る。地理学教授法を訳して、くさくさすると必ずこの梧桐を見る。手紙を書いてさえ行き詰まるときっとこの梧桐を見る。見るはずである。三坪ほどの荒庭に見るべきものは一本の梧桐を除いてはほかに何にもない。
ことにこの間から、気分がわるくて、仕事をする元気がないので、あやしげな机に頬杖を突いては朝な夕なに梧桐を眺めくらして、うつらうつらとしていた。
一葉落ちてと云う句は古い。悲しき秋は必ず梧桐から手を下す。ばっさりと垣にかかる袷の頃は、さまでに心を動かす縁ともならぬと油断する翌朝またばさりと落ちる。うそ寒いからと早く繰る雨戸の外にまたばさりと音がする。葉はようやく黄ばんで来る。
青いものがしだいに衰える裏から、浮き上がるのは薄く流した脂の色である。脂は夜ごとを寒く明けて、濃く変って行く。婆娑たる命は旦夕に逼る。
風が吹く。どこから来るか知らぬ風がすうと吹く。黄ばんだ梢は動ぐとも見えぬ先に一葉二葉がはらはら落ちる。