후리가나로 읽는 일본 고전
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きんろう
金狼
久生 十蘭
久生 十蘭의 金狼(きんろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,438자 · 179화면
琉球訛のある甲高い声でテキパキと応対し、話がきまるとすぐ女の部屋へあがってゆく。女がいなければそのカフェへ電話をかけて行先を知らせた。
仲介だけを専門にやり、アパートへ男を連れ込むことを絶対に禁じていたが、体操学校の女学生というのだけはなぜか大目に見ていた。十七八の猫のような顔をした娘で、五人の中学生の共同出資で囲われていた。若い旦那たちは毎朝ここへおち合って娘のつくった朝飯をくい、元気よく揃って学校へ出かけて行くのだった。五日目ごとに順番が廻ってくるのらしく、夕方になると、まいにち違った顔がひとりだけ娘の部屋へやって来た。ちょうど、この隣りが葵たちの部屋になっているので、憚るところのない猥らなもの音が、薄い壁をとおして手にとるように聞えてきた。
久我がなぜこんなアパートへ引越してきたか葵にはよくわかっていた。なに気ないふうをしているが、久我には金がないのだ。新婚旅行のために月給の前借をしたのらしく、先月の末に持って帰ったのはたった五円だけだった。葵にはもともと貯えなどはなかったので、いきおい身の皮をはいで喰うよりほかはなかった。新聞紙に服を包んでは質屋の暖簾をくぐった。