후리가나로 읽는 일본 고전
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きんろう
金狼
久生 十蘭
久生 十蘭의 金狼(きんろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,438자 · 179화면
なぜか西貝は急に暗い顔をして、庭のほうを向いてしまった。
廊下に足音がして、女中のあとから久我がはいってきた。いつものように、すこしとりすましたようなようすで、慇懃に挨拶をした。
「どうも、たいへんお待たせしまして……」
凄いほどひき緊った端麗な顔を、じっとりと汗でしめらせ、婉然と眼をほおえませて立っていた。すこし、人間ばなれのした美しさだった。
三人は、やあ、と嗄れたような声でいうと、そのまま、黙りこんでしまった。座につくと、久我は三人の顔を見くらべながら、
「どうしたんです。ひどく改まっているようだが……」
那須は坐り直すと、ベッタリと髪を貼りつけた木槌頭を聳やかしながら、単刀直入に、いった。
「久我さん、だしぬけで失敬ですが、二十分ばかり接見をさせてください。……ここでいけなかったら、二人だけで別室へ行ってもいいのですが……」
「いや、関いません。……それで、なにをおたずねになるのですか……」
「ご承知のように、僕はこんどの絲満事件を、最初からずっと担当してやっていますが、じつは最近、この解釈についてある理論的な到達をしたのです。多少あなたにも関係があるので、直接その本人に質問しながら、僕の推理が成功しているかどうかを確かめて見たいと思うんです。