후리가나로 읽는 일본 고전
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きんろう
金狼
久生 十蘭
久生 十蘭의 金狼(きんろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,438자 · 179화면
……さればさ、無数のガキを産んで、老後、ますます安泰に暮らされんことを、謹んでいのります」
そして、両手をあげて、万歳! と叫んだ。那須が、キンキラ声でそれに和した。みな、もうだいぶ酔っているのだった。そんな祝辞があるものか、真面目にやれ、真面目に! 乾老が、泳ぎだしてきて、抗議した。
「……ちょっと伺うがね、そいで、喰わせるほうはどうするのかね」
「わけアないさ。ガキ同志で、相互扶養をやらせるのだ。……兄はすぐのその下の弟を養う義務がある。その弟は、すぐまた下の弟を……。こんな工合に順ぐりにやって行く。……一番ビリのガキは一番上の兄を養う。……要するに、久我夫妻は、手を束ねて見ていれあいいのさ」
乾が、憎々しい口調で、つぶやいた。
「ふん、新聞記者の頭なんて、たわいのないもんだ」
これがキッカケになって、二人は口論をはじめた。那須までそれに加わって、追々手のつけられないようになって行った。
葵は、そんな騒ぎも、ほとんど耳にはいらないようすで、うっとりと眼をほおえませていた。……暗澹たる過去の残像も、記憶も、夢野の朝霧のようによろめきはじめる。霧がはれて、野のうえに、いま、朝日がのぼりかけようとしている。