후리가나로 읽는 일본 고전
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くぎぬきとうきちとりものおぼえがき
釘抜藤吉捕物覚書
林 不忘
林 不忘의 釘抜藤吉捕物覚書(くぎぬきとうきちとりものおぼえがき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,874자 · 20화면
」
彦兵衛が帰って来た。縁台を離れて藤吉も溝板の上にうずくまった。三人首を鳩めて低声の話に移った。その話がすんだ時、
「やるべえ!」
藤吉が立ち上った。
「おうさ、当るだきゃあ当って見やしょう。」
二人も起った。十三夜は満ちて間もない。その月が澄めば澄むほど、物の陰は暗くもなろう。真黒な三つの塊りが川の字形に跡を踏んで丑寅の角へ動いて行ったのは、あれで、かれこれ九つに近かった。
「通う千鳥の淡路島、忍ぶこの身の夜を込めて――。」
背後の影が唸った。前なる影が振り向いた。
「勘、われあ常から口が多いぞ。」
「へい。」
二
鮨町を細川越中の下屋敷へ抜けようとする一廓が神田代地、そこにいかにも富限者らしい造作があって近所の人は一口に因業御殿と呼んでいるが、これこそ因業家主が通名の大家久兵衛が住宅。此家へお茶漬お艶が、近江屋を虐めた帰り毎夜のように立廻ることを見極めたのは、たしかに葬式彦兵衛が紙屑買いの拾物であった。だから、因業が祟っていまだに独身の五十男久兵衛が、女の狂っているのをいいことにして、それこそお茶漬一杯で釣っておき、明日にも自分が表から乗り込んで行って近江屋の身上を取返してやると言いながらあわよくばお艶の肉体を物にしようと企んでいることは、八丁堀にはとうの昔にわかっていた。